芭蕉の見た風景を求めて
このたびの東北地方太平洋沖地震の被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
9月ですけどいつまで暑いのやら・・
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山形領に立石寺といふ山寺あり。慈覚大師の開基にして殊に清閑の地なり。一見すべきよし、人々のすゝむるに依りて尾花沢よりとつて返し、其間七里ばかり也。日いまだ暮ず。麓の坊に宿かり置いて、山上の堂にのぼる。岩に巌を重ねて山とし松栢年旧、土石老て苔滑に、岩上の院々扉を閉て物の音きこえず。岸をめぐり岩を這て仏閣を拝し、佳景寂莫として心すみ行のみおぼゆ。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」
・・・・・とは松尾芭蕉の「おくのほそ道」の一節。今回はここに書かれている山形の立石寺にふらっと立ち寄りました。
立石寺は山寺とも呼ばれ860年に慈覚大師が開いた天台宗の寺で、奥の院までの石段は1000段以上もあることで有名です。
山形駅からは電車で20分、仙台駅からも電車で40分と便利な地にあります。
私は約10数年前の雪の日に1度訪問したことがありますので久々の再訪です。
山寺駅を降りて門前町のお土産物店を歩くこと約10分で入り口に到着。
階段を登ると根本中堂に到着。
根本中堂はブナ材の建築物では日本最古だそうで、このお堂の中には比叡山延暦寺から分けられた「不滅の法灯」という火が約1200年間消えることなく燃え続けているそうですが・・今回はまだ早朝のため開いてません(><)
境内を進み隣の日枝神社を通りさらに進むと山門があり、ここからがいよいよ長い石段のはじまり。
ここで300円を支払います。
登り始めると初めに見えるのが「姥堂」とやらでここから上が極楽で下が地獄だそうです。石段を一段一段登ることで欲望や汚れを消滅していくとのことです。
さらにさらに登ると芭蕉が例の句を読んでしたためた短冊をこの地に埋めて石の塚を建てたという「せみ塚」があります。
今回はまだ早朝ということと、夏も終わりに近いのでセミもあまり鳴いてません。
実はこの「蝉の声」の蝉は何ゼミかという議論もされていたようです。
芭蕉が訪問した時期などから考えるとニイニイゼミであろうと結論されたようです。
まだまだ石段は続きます
そして山中に現れた大きな山門「仁王門」があります
1848年に再建されたもので門の左右には仁王尊像があって邪神を持つ人が登ってこないか監視しているようです。ドキッ(笑)
ここを抜けるとあと少し
4つの支院などの建物が立ち並びます
まあこんな山の上によく建てたなと感心します。
そしてやっと奥之院と呼ばれる如法堂に到着?
右側が奥之院で左側が大仏殿
大仏殿のなかには像高5mの金色の阿弥陀如来像があるそうですが・・・
早朝のためここもまだ開いてな?い(笑)
寺とかって早起きなんじゃないの?
奥之院から若干戻り、脇にそれると断崖に「修行の岩場」というのが見えます
修行の人以外は立ち入り禁止です。
落ちて亡くなる人も多数いたというのも納得
そして「納経堂」と「開山堂」と呼ばれる建物に
左側の小さいのが「納経堂」で写経などを納めていてその下には慈覚大師が眠る入定窟というのがあるそうな
さらに奥に行くと五大明王を祀って天下泰平を祈る五大堂があります
ここからの景色は絶景
吹く風も心地よく疲れをしばし忘れます
街並みは変われど山々の風景は芭蕉の訪れた約320年前と同じと思えば感慨もひとしお(笑)
帰りは同じ道を山門まで戻ります
駅からスタートして戻るまで早ければ1時間ですが、ゆっくりのんびりなら2時間はみたほうがいいでしょう
途中の茶屋で名物の力こんにゃくを食べることを忘れずに(笑)
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